自由を望むルチアーノとテッサの愛と闘い『レーエンデ国物語 月と太陽』

こんにちは。今回は、2023年8月に発売された小説『レーエンデ国物語 月と太陽』(多崎礼 著)について紹介したいと思います。

大人気のファンタジー小説『レーエンデ国物語』の第2巻にあたりますが、1巻を読んでいなくても楽しめる作品です。

この本は、美しい自然と豊かな文化を持つレーエンデ国という架空の世界を舞台に、運命に翻弄されながらも自分の信念を貫こうとする若者たちの成長と闘いを描いた王道ファンタジーです。

この本を読むと、毛布にくるまって読みふけったあの頃のあなたに戻れるかもしれません。

目次

『レーエンデ国物語 月と太陽』とは?

『レーエンデ国物語 月と太陽』は、講談社から発売された多崎礼さんの小説です。

多崎礼さんは、2006年に『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビューした作家さんで、『〈本の姫〉は謳う』や『血と霧』シリーズなどの作品があります。

『レーエンデ国物語』は、多崎礼さんが10年以上かけて構想した大作で、2023年6月に第1巻が発売されてからテレビや書店で話題沸騰しています。第2巻は、608ページというボリュームです。

あらすじ

『レーエンデ国物語 月と太陽』の章立ては、以下の通りです。

目次

序章

  1. ルーチェ
  2. 斬り込み中隊
  3. もう神なんて信じない
  4. 落陽
  5. 隠れ里エルウィン
  6. レーエンデ解放軍
  7. 春陽亭の三姉妹
  8. 初仕事
  9. 協力者
  10. アルトべリ城攻略
  11. 軍師の誕生
  12. もっとも信心深い者にこそ
  13. 月と太陽

終章

高貴な家柄の少年、ルチアーノは、自身の屋敷が何者かに襲撃され、状況を知らぬままレーエンデ東部の小さな村にたどり着きます。

そこで、力持ちでお人好しの少女、テッサという存在と運命的な出会いを果たします。

藁葺き(かやぶき)屋根に覆われた村の風景、活気に満ちた炭鉱、そして賑やかな収穫祭の祝宴に触れ、ルチアーノは自身の社会的身分を捨て去り、この地で新たな生活を始めることを決意します。

しかし、彼らの平穏な生活は長くは続かず、村は大きな危機に直面します。その危機を救うため、テッサは戦場へと身を投じる覚悟を決めます。

一方で、ルチアーノは彼女との結婚の約束を心に留めながら、新たな試練に立ち向かうことになります。

物語は、封鎖された古代樹の森、孤島城に住む法皇、そして変化し続ける世界を背景に進展します。

「あの日」の決断が、国の運命を根本から変えてしまうことを、まだ二人は知りません。

登場キャラクター

主要なキャラクターは以下の通りです。

ルチアーノ・ダンブロシオ:名家の出身で、考えることが得意な少年。屋敷を襲撃されてからは、名を捨て、村の青年として暮らす。テッサに惹かれ、認めてもらえるように成長したいと思っている。

テッサ・ダール:村の少女で、怪力を持つ。村のために戦うことを決意し、レーエンデ義勇軍を率いる。優しく、お人好し。

エドアルド・ダンブロシオ:美しく、知性に富んだルチアーノの自慢の兄。法皇に仕える。

アレーテ:テッサの姉。知識や教育が大事と考え、子ども達に読み書きを教える。

キリル:テッサの幼馴染。森で狩猟や採集をして、暮らしている。

テーマとメッセージ

テーマは、「自由」と「愛」です。

レーエンデは帝国によって弾圧されていますが、その中で自由を求めて立ち上がる人々がいます。

彼らは自分たちの国や家族や友人を守るために戦いますが、その過程で多くの苦難や犠牲に直面します。

しかし、彼らは決して諦めず、自分たちの信念や理想を貫きます。

また、この本では様々な形の愛が描かれます。テッサとルチアーノは互いに惹かれ合いますが、それぞれ違う道を歩みます。

しかし、彼らは決して忘れず、互いに想い合います。

アレーテやキリルの相棒イザークなども、それぞれに愛する人や愛される人がいて、彼らは愛する人や愛される人のために尽くします。

この本は、自由と愛を求めて生きる人々の物語です。

著者について

『レーエンデ国物語 月と太陽』の著者である多崎礼さんは、2月20日生まれの作家さんです。

2006年に『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビューしました。その後も『〈本の姫〉は謳う』や『血と霧』シリーズなど、多彩な作品を発表しています。

多崎礼さんは、ファンタジー小説が大好きで、特に『ロード・オブ・ザ・リング』や『ナルニア国物語』などの西洋の古典的なファンタジーに影響を受けた作家さんです。

『レーエンデ国物語』は、多崎礼さんが10年以上かけて構想した大作で、レーエンデ国という架空の世界の歴史や文化、魔法や神話などを細かく設定しています。

読んだ感想

この本は、登場人物たちの感情や思考が丁寧に描かれていて、彼らの苦悩や喜びに共感できます。

特に、ルチアーノとテッサの関係性は微笑ましくも切なくて、読んでいてジリジリとしました。彼らはお互いを思いながらも、違う道を歩むことになります。

しかし、彼らはそれぞれに自分の信念を貫き、自分の居場所を見つけようとします。彼らの成長は、勇気や希望を与えてくれて元気づけられました。

レーエンデ国は自然豊かで美しい国ですが、圧政や差別などの問題も抱えています。

この本は、自由と愛を求めて生きる人々の物語ですが、私たちにも問いかけてくるような気がします。

私たちも自分たちの信念や理想を貫くことができるか、愛する人や愛される人とどう向き合うか、考えさせられる本です。

おすすめの読者層

『レーエンデ国物語 月と太陽』は、大人のための王道ファンタジーです。

  • ファンタジー小説が好きな人や冒険小説が好きな人
  • 人間ドラマが好きな人

この本は、登場人物たちの恋愛や友情や家族愛などが描かれています。

608ページというボリュームがありますが、読み始めるとあっという間に終わってしまうほど面白いです。

まとめ

『レーエンデ国物語 月と太陽』は、大人のための王道ファンタジーです。

この本は、レーエンデ国という架空の世界を舞台に、運命に翻弄されながらも自分の信念を貫こうとする若者たちの成長と冒険を描いた作品です。

この本は、登場人物たちの感情や思考が丁寧に描かれていて、彼らの苦悩や喜びに共感できます。

この本は、ファンタジー小説が好きな人や冒険小説が好きな人におすすめです。また、人間ドラマが好きな人にもおすすめです。

『レーエンデ国物語 月と太陽』に興味を持っていただけたら嬉しいです。ぜひ手に取ってみてください。

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